多汗症を治すには

運動をすれば、体温が上がるので、体は汗をかいて冷やそうとします。
しかし、何も運動をしていないのにもかかわらず、汗を異常にかくというとき、それは多汗症の疑いがあります。

多汗症とは何か

しかし、多汗症といっても、全て同じ症状ではありません、
全身に汗をかく人がいれば、手や背中など一部分でかく人がいます。

また、汗をかく引き金となるのが、主には緊張やストレスなどです。

それは緊張を司る交感神経の働きが活発であるため、ということに繋がるのですが、必ずしも精神的な負荷が要因というわけではありません。
場合によっては食事をするたびに大量の汗をかくことあるからです。

また、何かの病気によってもたらされる副次的な症状であったり、遺伝ということもあります。
たかが汗のことと言っても、その原因は極めて複雑です。

多汗症がもたらす悪影響

汗をかくということ自体は、命にかかわることではありません。
しかし、日常生活を送る上で、大量の汗が障害となって立ちはだかる可能性もあります。

例えば、仕事や私生活で活躍するパソコンやスマートフォンの操作をするとき、手の汗がひどければ、操作をしているだけで機器が汗まみれになってしまいます。

何かを持とうとするときでも、プラスチックのように表面が滑らかな素材であれば、滑って落としてしまいますし、紙であれば濡れてふやけてしまいます。
車の運転でハンドルが汗で握れないとなれば、取り返しの付かない事故に繋がる恐れもあります。

そういった事態を防ぐためには、医師に診察してもらい、治療をすることです。

なお、汗をかくからわきがになると思っている人がいますが、わきがの場合にかく汗はアポクリン汗腺から出る汗で、この場合の汗はエクリン汗腺から出る汗なので、汗臭いと感じることは合ってもわきがの悪臭とは別です。

どのような治療法があるのか

わきがの原因であるアポクリン汗腺は手術で取り除いて治すことが出来ますが、エクリン汗腺は数が多いので取り除けません。

ですから、汗をかかないように、交感神経の働きを弱めるボトックス注射をしたり、ダイオードレーザーを交感神経の一部である神経に照射して緊張を抑えるといった方法があります
また、緊張をしないようにする抗不安薬などを処方することもあります。

手術をせずに治す方法としては、心理療法もある程度の効果があるとされています。
ただ、手術や薬ほどの明らかな効果が出るとは限りませんし、精神的な原因でないとすれば効果がないので、絶対に治すことが出来るとはいえません。