わきがは皮膚科で治療することができますが、その治療法は様々な種類があり、症例にあった方法を選択する必要があります。
わきがを根本的に治すためにはアポクリン線を手術で取り除くことが最終手段なのですが、手術の拒否感(怖い)や傷あとが心配などのことを考えると、手術の前にやるべきことがあります。
軽度の場合の治療方法:塗り薬や飲み薬
まず第1は軽度の場合は、塗り薬や飲み薬でにおいを防ぐ治療です。
病院皮膚科での処方がよいでしょう。
まず塗り薬ですが、これは「塩化アルミニウム液」という制汗剤をティッシュやコットンにしみこませて気になる部分に塗るということです。制汗剤とは言え、においを抑える効果が十分あります。
次に飲み薬ですが、プロバンサイン(抗コリン剤系列)という内服薬です。
やはり汗を抑えるものですが、口や目の渇き、尿の出の不良などの弱い副作用があり継続的使用は避けるべきものです。
中度の場合の治療方法:ボトックス注射や電気凝固法
第2に中度の場合はボトックス注射や電気凝固法があります。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌の毒をワキの下に注射するものです。
汗の量を減らす効果をもたらします。
また電気凝固法は、電気針をワキの毛穴に刺して高周波電流を流します。
ワキを脱毛してアポクリン腺と皮脂腺の破壊ですが、ワキガの治療であると同時に結果的に脱毛を行うことにもなります。
重度の場合の治療方法:手術
第3が重度の場合です。ここで初めて手術ということになります。
手術にも大きく2種類あり医師が自分の目で見ながら行う「直視下手術法」と機械を使って行う「非直視下手術法」があります。
まず直視下手術法では「剪除法(せんじょほう)」があり、最も多くの病院で行われていますし、比較的効果が安定している手術と言えます。
これは、ワキの下を切って、開き、アポクリン線を目視しながらひとつずつ取り除くやり方です。
汗腺は効率的に切除されます。
ただ傷がのこり縫合技術が問われます。入院する必要はありません。ただガーゼを4日~7日ほど当てておく必要性があります。
もうひとつの非直視下手術法として「皮下組織吸引法」があります。
ワキ下に小さな穴を開けて細い管を通してわきがの原因であるアポクリン腺・エクリン腺・皮脂腺を吸い取る方法です。
傷口は目立たないのですが、アポクリン腺の完全除去は難しいとされています。
その他、超音波吸引(治療)法という特殊な方法もあります。
超音波で熱を発生させアポクリン腺を破壊、吸引する方法です。
皮下組織削除法という皮膚科の医師の技術力が問われるものもあります。
これはカミソリの刃と専用のローラーを組み合わせた器具です。
つまりカミソリで皮下組織ごと削り取る方法です。回復まで時間がかかりますし、わきが治療としては他のものより若干危険性があるものだと言えるでしょう。
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