ワキガのあの独得の臭いは、かつてはフェロモンとして、異性をひきつけるものでした 。
ですが、現代の人間は、強い臭いを嫌う傾向にあり、体臭を持っていても魅力を感じることは少なくなり、逆に嫌われてしまうことがよくあります。
フェロモンだったワキガ
我々の祖先がかつて類人猿と呼ばれていた頃には、ワキガはフェロモンでしたが、人間の嗅覚が変化してしまい、耐え難い悪臭と感じるようになりました。
人間は理性を身につけたために、異性に直接的な活動を呼び起こさせるフェロモンは退化していったと考えられます。
ただ一般的にはあまり好まれない臭いであるワキガですが、中にはこの臭いが好きという人もいます。
古代中国の陽貴妃は、絶世の美女として有名ですが、一説にはワキガであったのではないかとされています。現代では嫌われる臭いですが、古代中国では、魅力的な匂いだったのかもしれません。
アポクリン汗腺とエクリン汗腺
人間を除くほ乳類には、全身にアポクリン汗腺が存在し、タンパク質や脂質を含む分泌液が皮膚上に分泌されています。このアポクリン汗腺から出た汗が、全身の皮膚にある常在菌に分解されることで、臭いを発生しフェロモンとして機能しています。
一方人間は、エクリン汗腺から汗を出すことで体温調節を行うため、エクリン汗腺が発達しています。このエクリン汗腺が発達したことで、アポクリン汗腺は体の一部に減少し、ワキや耳の中、乳首の周辺などに限定的に存在するようになりました。このアポクリン汗腺が多く分泌する人がワキガ体質となります。
元々フェロモンは、異性に交尾ができるまで成熟したことを伝える役割をもっていますが、人間の場合には、本来の役割が必要なくなり、強すぎる臭いは異性に嫌われる要因となってしまいました。
欧米に比べ日本人はワキガの割合は10人に1人と少ない人種であることから、好ましくない臭いとして認識されています。
ワキガを抑える方法
ワキガを抑えるためには、体内から発するアンモニア臭を減らすことが大切です。
アポクリン汗腺からの汗は、水分が少なく放っておくと雑菌が増殖して臭いが強くなってしまうので、汗をかいたらこまめに拭いたり、入浴をして汗を洗い落とすことが大切です。
軽度なワキガなら、食生活や生活習慣の改善、市販の制汗スプレーなどを使用すれば改善することもありますが、重度の場合には、皮膚科や美容外科などの専門のクリニックで、適切な治療を行うことで改善する可能性があります。
治療には薬を使ったものから外科手術まで様々な方法があるので、自分の症状にあった治療法を見つけることが大切です。
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