ワキガと汗臭いの共通点は、どちらも汗が原因ということです。
ただ汗臭いのは、エクリン汗腺から出る汗が原因であるのに対し、ワキガはアポクリン汗腺から出る汗が原因という大きな違いがあります。
エクリン汗腺とは
エクリン汗腺から出る汗は、ほとんどが水分であるため、汗自体には臭いはありません。ただこの汗と一緒に流れ出る古い角質や皮脂に雑菌が増殖することで、汗臭い臭いが発生します。
人の体は、体温が上がり過ぎると、脳がエクリン汗腺へ汗を出すように命令し、体温を下げようとします。エクリン汗腺は、汗の原料となる塩分を取り込んで熱を吹くんだ水分が汗となって体外に排出されます。
このようにエクリン汗腺から出る汗は、生理的な汗であることがほとんどです。
通常ならエクリン汗腺から出る汗は、サラサラとしてあまり臭いはありませんが、汗に塩分が多く含まれていると、べたべたとした汗臭い悪い汗となってしまいます。
アポクリン汗腺とは
アポクリン汗腺の量は、人種や個人によって違います。
このアポクリン汗腺の役割は、エクリン汗腺のような体温調節ではなく、臭いの物質を作り出すことにあります。本来ほ乳類は、個体の認識や異性をひきつけるフェロモンのような役割としてアポクリン汗腺組織が発達し臭いを発生させています。
ただ人類は、進化の過程で体毛が退化し、アポクリン汗腺も退化していったと考えられています。体毛の代わりに衣類を着用し、暑さをしのぐためにエクリン汗腺が進化したと考えられます。
そのため現代人には、ワキの下や耳の中、乳首や性器の周辺などの局部にしかアポクリン汗腺は存在しなくなりました。
2種類の汗腺の違い
エクリン汗腺の特徴は、全身の至る所に存在し、99パーセント以上が水分のため、さらっとしていて臭いもほとんどありません。一方アポクリン汗腺は、ワキの下や性器の周辺など、体の一部にしか分布しておらずアンモニアやタンパク質、脂質、糖質などを含んだ粘り気のある汗を出します。
このように栄養がたっぷり含んだ汗であるため、皮膚の常在菌が繁殖しやすく、その発酵臭が独得なワキガ臭となります。
ワキガは遺伝によって体質を受け継ぎ、生まれつきアポクリン汗腺の量が決まっています。ただ体質を遺伝していたとしても、必ずしも臭いを発生する訳ではなく、食事や生活習慣によっても影響を受けると考えられています。
特にワキガ体質の人が、動物性脂質や肉類を多く摂りすぎると、皮脂腺からの分泌量が増え、臭いを更に強くする原因ともなりますから、日頃から気をつけることが大切です。
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