ワキガの原因はアポクリン線？【機能とワキガとの関係について】

人間には汗を出すための器官があり、それを汗腺といいます。
汗腺にはエクリン腺と、アクポリン腺の二種類があってそれぞれ違った役割を持っています。わきがなどの体臭に悩み、何らかのアプローチをしたいと考える人達にとっては、これら二つの汗腺の違いを知ることは有効かもしれませんね。

エクリン腺からの汗は無臭

エクリン腺は全身にまんべんなく分布し、主に体温を調節するために汗を出す役割があります。暑い夏の屋外や運動した時に、着ている服の背中や襟元が汗でびっしょり、というのは誰もが体験したことがあると思います。そのような汗はエクリン腺から出る汗です。

そのため、こちらから出る汗は９９パーセント以上が水分なので、ほぼ無臭であり、残りの１パーセントの成分が時間がたって酸化し、いわゆる「汗臭さ」の原因となることはあっても、わきがの原因とされることはまずありません。

アクポリン腺はワキガの原因になる

アクポリン腺は全身にあるわけではなく、わきの下や陰部（性器の周囲）、耳の中（外耳道）、肛門の周囲や乳輪など、分布する場所はごく一部に限られており、わきがの原因となるのは主にこちらから出る汗です。

実は、アクポリン腺から出る汗はエクリン腺から体温調節のために出る汗とは成分が違い、これがわきがを含む体臭の悩みの主な原因となっています。
動物はフェロモンを発して異性を惹きつけ、子孫を残すというのは広く知られていますが、その機能そのものは人間にも残っています。

人間とサルは、他の多くの動物と違ってほとんどのアクポリン腺が退化してしまっていますが、元々はそのような役割があったのです。

ですからアクポリン腺から出る汗は脂質（脂肪）、たんぱく質、アンモニア、尿素、鉄分などが含まれていて、色も乳白色で粘度も高く、ベタベタしています。
この汗自体は出たばかりの時はほぼ臭いはありませんが、これらの成分が皮膚に存在している常在菌のエサとなり、分解されることによって臭いが発生します。

日本人は比較的少な目

アクポリン腺の多い少ないは人種によっても違い、例えば日本人よりも欧米人の方が多い傾向にあります。日本人は元々アクポリン腺の少ない人が多く、体臭の強い人は欧米に比べ数は多くありません。

とは言っても、そのせいで逆に強い体臭を気にしやすかったり、食生活が欧米化することによって汗の中に含まれる臭いの原因となる成分が増加したり、緊張するなどのストレスを受けることで脇の下などに汗をかく量が増えたりなどの要因があります。
それらがわきがなどの体臭の悩みにつながりやすくなっているのです。