多汗症治療のひとつにボトックスがあります。
緊張すると汗が止まらなくなったり、服に汗ジミができているなどに悩んでいる場合には、ボトックス治療を検討してみることです。
多汗症の仕組み
汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺があります。
全身に分布しているエクリン汗腺は、さらさらとした汗がでるだけでほとんどにおいはありません。
アポクリン汗腺は、ワキやおへそ周りなどの局所的にあり、粘り気のある汗がでます。
脂肪や鉄分、アンモニア、蛍光物質などが含まれているため、菌が繁殖しやすく臭いが発生します。
多汗症になるとエクリン汗腺から必要以上に汗が分泌されていきます。
ボトックス治療
ボトックスには、神経の末端から分泌されている伝達物質であるアセチルコリンの分泌抑制の働きがあります。
この働きを応用することで改善効果が期待できます。
アセチルコリンは、交感神経の末端で発汗を促しています。
アセチルコリンの分泌を抑制することで過剰な汗の分泌を抑制します。
注入できる部位は、両ワキ以外には、額や手、足、うなじに注入することができ、男女どちらも治療が可能です。
治療の効果は、通常3日から1週間程度であらわれ、半年から1年程度続きます。
持続期間には、個人差以外にも注射する皮膚の深さや部位、注入量などによっても差が出てきます。
夏に汗をかきやすい人の場合は、毎年4月頃から6月後に治療を受けるようにすることで、夏を快適に過ごしやすくなります。
緊張型多汗症の場合は、一度治療を受けることで完治する場合があります。
緊張型の場合は、緊張することにより汗が出てくるのではないかという不安により汗が増える悪循環に陥りやすいですが、治療を受けることにより、汗が出なくなり不安がなくなることで悪循環が断ち切られます。
悪循環が断ち切られることにより汗に意識が集中しなくなることも緊張型は完治する人が多い理由の一つです。
ボトックスの問題点について
ボトックスには、多汗症の汗を抑える以外にも筋肉の収縮を抑制する作用があります。
汗腺の深さに正確に治療を行えば筋肉が動きにくくなることはありません。
しかし、注射する部位や量、製剤の種類によっては、治療部位が動かしにくくなるなどの副作用が起こる可能性もあるため、経験が豊富で信頼のおける医師のもとで治療を受けることです。
不安がある場合には、病院によってはカウンセリングやメール相談などを行っているため、相談してみることです。
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